『ギャップはチャンスだ! ビッグデータ革命を生き抜く、超前向き思考の働き方』を出版
『ギャップはチャンスだ! ビッグデータ革命を生き抜く、超前向き思考の働き方』(有馬誠著、日経BP社発行)
80年代後 半にリクルートで通信自由化という規制緩和に立ち会い、90年代半ばにヤフージャパン1号社員としてインターネット時代の幕開けを目の当たりにした著者。
IT革命の意義と中身については十分理解していた著者が、世界で数万人の社員を抱える規模になってもフルスピードで走り続けるグーグルに参加し、そこで IT革命が自分の認識よりはるかに大きな規模でますます加速していたという「ギャップ」を強く感じた。
本書は、ことごとく「ギャップ」との戦いだった自分 のキャリアを振り返り、日々の仕事で体得した、超前向き思考の仕事術を紹介する。
ビッグデータや人工知能、Googleが取り組む自動運転車などが、社会にどういった変化をもたらすのか、イノベーションをどう起こしていくのかのほか、 自分のキャリアをどう設計していくかといったテーマもあり、最終章では経営者から若手社員&学生に至るそれぞれの世代に向けての提言もしたためられてい る。
自身が所属した企業でのエピソードだけでなく、LINEやスマートニュースといった、現在急成長中の日本企業に関する分析もあり、読み応え十分だ。 少々長くなってしまうが、ぜひ盛り沢山な目次をざっと斜め読みしてほしい。
1章 なぜギャップはチャンスなのか?~リクルートとヤフーでの学び~
入った時から辞めることを考えさせるリクルート/「ところでお前はどうしたいの?」と常に問われる/40億円の投資で撤退、リクルートでの挫折/360度 評価を人気投票に終わらせない/インターネット、新しいメディアの誕生だ!/退職金3倍増の前年にリクルートを飛び出る/ギャップの宝庫だったヤフーの立 ち上げ/株価情報の提供拒否が一転した訳・・・/ヒットを予測できなかったYahoo!オークション/電通と提携、広告営業で大ギャップ突破!/ヤフーで 学んだ、孫さんの胆力/孫さんの誠意ある謝罪/アイ・アム起業、そしてグーグルへ/グーグルに入社
2章 IT革命、ビッグデータ革命の最先端
ITが全産業を変えていく/ITが革命を理解する3つの切り口(IT革命3要素)/Google Glassとは/華々しいプロモーションと強い反発/医療や学習、業務目的で活用が始まる/「コンテキスト化」の進行とプライバシーの変貌/人工知能が人 気クイズ番組でチャンピオンに勝利/Watsonの実用化始まる/人工知能は「悪魔の召喚」か?/インターネット広告市場はIT革命の資金源/ネット接触 時間がテレビを上回る/EC市場を巡るリアルとネットの競合、連携/ビッグデータ解析の肝は因果より相関/ビッグデータ活用はIoT、IoEへ /Uber、ITとリアルサービスの華麗なる融合/自動運転者のテストランに同乗/グーグルはなぜ自動運転車を開発するのか/完全自動運転はここまで進ん でいる/核心を妨げる「赤旗法」の愚を繰り返すな
3章 衝撃!ネット人口70億人時代の到来
気球でインターネット接続の普及を目指す/ザッカーバーグ氏曰く、「インターネット接続は基本的人権」/カンボジアでの学校建設で学んだこと/「ビデオで教育を改革する」カーンアカデミー/無料の講義ビデオ配信が広がる/教育の何がどう変わるのか
4章 ネット人口70億人時代の日本企業の勝機
スマホアプリにこそ日本企業の勝機がある/グローバル展開でLINEがぶつかったギャップ/グローバル展開にも貢献する「LINE Creators Market」/「文化へのリスペクト」が米国市場で支持されたSmartNews
5章 グーグル流、イノベーションを起こす企業文化と働き方
グーグルが掲げる10の事実/プロダクト開発向け理念が部門、国を越えて浸透/有馬が発見したグーグルカルチャー10の驚き(ギャップ)/30分会議をう まく進めるコツ/慎重を極める面接──私の場合/3年タームでキャリアを想定し、自ら後継者をつくれ/イノベーティブな目標に挑戦させるOKRミーティン グ/東日本大震災、グーグルがITの力でできること/震災直後の働き方は自発性に委ねる/毎週30分の面談/「ウェブ上の民主主義は機能します」を組織に 適用/「質問の事前回収、投票」システム/自発性と感謝する気持ちを大切にする「ピアボーナス」/オフィス環境の重要性/管理部門でも可能な限り業績を定 量化/意識の高いコンシャスカンパニーへ/ダイバーシティ(多様性)への寛容/マネージャーも「やりたいこと」を部下に応援してもらう/グローバルとロー カルのギャップ/モバイルイノベーション、興奮と大きなギャップ/営業担当者はギャップチャレンジャー/グーグルに死角はあるか
6章 イノベーションを起こす会社の条件、そして楽しくギャップを埋める方法
優れたプロダクトが優秀な人材を引きつけるLINE/若手もベテランも活躍するスマートニュース/企業文化は最大の経営戦略/イノベーションを起こす文化 の創り方、イノベーティブな働き方/(1)もしあなたが経営者・経営幹部なら/(2)もしあなたが、働き盛りの中堅社員・管理職なら/(3)もしあなたが 次代を担う若手社員・学生なら/ギャップへの取り組み方
あとがき
ギャップのあるところにビジネスチャンスありとはよく言われる。
「ギャップ」、言わずもがなではあるが、直訳では、「隙間、隔たり、大きな相違、欠落」で ある。ビジネスではこれを発見、把握することが基本となる。消費者の望む商品と、現実に提供されている商品の「隔たり」が見つかれば、それを埋める新商品 を開発することで商機は拡大する。
逆に言えば、「ギャップなきところにビジネスなし」である。全ての企業は、社会に多く存在するギャップの一部に目をつ け、それを埋めることを目的に創業、経営されている。「ギャップこそがビジネスの源泉」なのだ。
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